計算機能
長期・短期の軸力、または風荷重による応力を受ける柱の設計を行います。
軸力の値は直接入力によります。風荷重時には、部材に以下の等分布荷重 w が作用するものとします。
w = 風の速度圧・風力係数・荷重の支配幅
応力計算
風荷重時については、柱の両端をピン支持とし、下式により中央部の曲げ M と端部のせん断力 Q を求めます ( L は部材長 ) 。
M = w・L2 / 8
Q = w・L / 2
断面計算
下式により検定比を求め、これが 1 以下であることを確認します。軸力と曲げについてはこれらの合算値で検定します。
軸力の検定比 圧縮力の場合 N / ( Ae・fc ) 引張力の場合 N / ( Ae・ft )
曲げモーメントの検定比 M / ( Ze・fb )
せん断力の検定比 Q / ( As・fs )
N : 軸力 , fc : 許容圧縮応力度 , ft : 許容引張応力度
Ae : 欠損を考慮した有効断面積 , Ze : 欠損を考慮した有効断面係数 , As : せん断断面積
fb : 許容曲げ応力度 , fs : 許容せん断応力度
入力項目
断面種別
「長方形」または「円形」とします。
断面寸法 (mm)
長方形の場合は「幅 x せい」、円形の場合は「直径 φ」で表わします。変更 をクリックして寸法を入力してください。
長期軸力 (kN)
つねに正の値で入力し、「圧縮」「引張」の別を設定してください。
短期軸力 (kN)
短期軸力の検定を行う場合は「圧縮」「引張」の別を設定した上でその値を入力します。ここで入力するのは「常時の軸力 + 風荷重時 ( または地震時 ) の軸力」の値であることに注意してください。
ここで「長期に同じ」が選択され、かつ風荷重時の計算指定がない場合は短期軸力の検定は行いません。
座屈長さ (m)
軸力が圧縮の場合は、この値に基づいて座屈による許容圧縮応力度の低減係数を求めます。この入力がない場合は座屈による低減を考慮しません。
風荷重時の検証を行う
これが有効な場合は、以下の入力値に基づいて風荷重による応力を計算します。
部材長 (m)
柱の支点間距離。
荷重の支配幅 (m)
柱に作用する風圧力の作用範囲。
速度圧 (N/m2) 風力係数
速度圧に風力係数を乗じたものが単位面積あたりの風圧力になります。
使用材料
使用材料の基準強度と材料定数を入力しますが、値を直接入力する替わりに リストから選択 をクリックし、あらかじめ登録された値を選択することもできます。また、ここでリストを編集することもできます。詳細については こちら をご覧ください。
材料の 名称 は省略できますが、何らかの入力があった場合はそれがプリンタ出力に反映されます。
基準強度 (N/mm2)
Fc は圧縮強度、Ft は引張強度、Fb は曲げ強度、Fs はせん断強度です。なお、風荷重時の検証を行わない場合は Fb と Fs は省略可能です。
断面の有効率
部材の断面欠損を考慮して断面性能を低減する場合、実断面に乗ずる有効率の値 ( 1.0 以下 ) を入力します。値を直接入力する替わりに リストから選択 をクリックし、あらかじめ登録された値を選択することもできます。また、ここでリストを編集することもできます。詳細については こちら をご覧ください。
I は断面 2 次モーメント、Z は断面係数、A は断面積、As はせん断断面積に関する値ですが、ここでは I の値は使用されません。また、風荷重時の検証を行わない場合は A の値のみ使用されます。
初期値に戻す をクリックすると、すべての値を 1 に再設定します。
名称 は省略できますが、何らかの入力があった場合はそれがプリンタ出力に反映されます。
出力項目
N (N)
長期または短期の軸力 ( 入力値 )
fc (N/mm2)
許容圧縮応力度
ft (N/mm2)
許容引張応力度
w (N/m)
風荷重時に作用する等分布荷重
M (N・m)
設計曲げモーメント
M+N
軸力と曲げの検定比を合算した値
Q (N)
設計せん断力
fb (N/mm2)
許容曲げ応力度
fs (N/mm2)
許容せん断応力度
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