計算機能
長さ L の単純梁が長期 ( 固定荷重+積載荷重 ) の荷重を受けるものとして計算します。
大梁の両側に作用する荷重の状態をそれぞれ 荷重1 ・荷重2 とします。さらに、大梁と小梁 ( 根太 ) が平行する状態を タイプA、小梁が大梁に直交する状態を タイプB と呼ぶことにします。
大梁と小梁が平行な場合 ( タイプA ) は以下の等分布荷重 w が作用します。
w = 床荷重 ( 固定荷重+積載荷重 )・荷重の支配幅
小梁が大梁に直交する場合 ( タイプB ) は、小梁位置に以下の集中荷重 P が作用します。小梁は等間隔に配されているものとします。
P = 床荷重 ( 固定荷重+積載荷重 )・小梁の間隔・荷重の支配幅
下図のグレー部分が荷重の負担面積です。

応力計算
下式により、部材中央部の曲げ M と端部のせん断力 Q を求めます。
タイプAの場合 M = w・L2 / 8 , Q = w・L / 2
タイプBの場合 M = α・P・L ( α : 集中荷重の個数に応じた係数 ) , Q = Σ P / 2
断面計算
下式により検定比を求め、これが 1 以下であることを確認します ( Σ は荷重1と2の合計を表わす ) 。
曲げモーメントの検定比 Σ M / ( Ze・fb )
せん断力の検定比 Σ Q / ( As・fs )
Ze : 欠損を考慮した有効断面係数 , As : せん断断面積
fb : 許容曲げ応力度 , fs : 許容せん断応力度
たわみの検証
下式により、部材中央部の弾性たわみ量 δ を求めます。
タイプAの場合 δ = 5 w・L4 / ( 384 E・Ie)
タイプBの場合 δ = α・P・L3 / E・Ie ( α : 集中荷重の個数に応じた係数 )
E : ヤング係数 , Ie : 有効断面 2 次モーメント
Σ δ ( 荷重1と2の合計値 ) に告示に定める変形増大係数 2 を乗じ、これを部材長 L で除した値が 1/250 以下になることを確認します。
入力項目
スパン長 (m)
部材の支点間距離
距離 a (m)
タイプAの場合は隣接する小梁まで、タイプBの場合は隣接する大梁までの距離で、この 1/2 が荷重の支配幅になります。
小梁の本数
タイプBの場合、これが集中荷重の数になります。小梁は等間隔とします。
断面種別
「長方形」または「円形」とします。
断面寸法 (mm)
長方形の場合は「幅 x せい」、円形の場合は「直径 φ」で表わします。変更 をクリックして寸法を入力してください。
固定荷重 (N/m2)
値を直接入力する替わりに リストから選択 をクリックし、あらかじめ登録された値を選択することもできます。また、ここでリストを編集することもできます。詳細については こちら をご覧ください。
荷重の 名称 は省略できますが、何らかの入力があった場合はそれがプリンタ出力に反映されます。
積載荷重 (N/m2)
告示では、たわみの検証時には地震時の積載荷重を採用してよいとされていますので、ここでも「強度検証時」と「たわみ検証時」に分けて入力するようになっています。
居室の標準値 をクリックすると、基準法の値 ( 強度検証時 1300・ たわみ検証時 600 ) が自動入力されます。
使用材料
使用材料の基準強度と材料定数を入力しますが、値を直接入力する替わりに リストから選択 をクリックし、あらかじめ登録された値を選択することもできます。また、ここでリストを編集することもできます。詳細については こちら をご覧ください。
材料の 名称 は省略できますが、何らかの入力があった場合はそれがプリンタ出力に反映されます。
基準強度 (N/mm2)
Fc は圧縮強度、Ft は引張強度、Fb は曲げ強度、Fs はせん断強度です。なお、ここで実際に使用するのは Fb と Fs だけなので、その他については省略可能です。
材料定数 (kN/mm2)
ヤング係数 E の値
断面の有効率
部材の断面欠損を考慮して断面性能を低減する場合、実断面に乗ずる有効率の値 ( 1.0 以下 ) を入力します。値を直接入力する替わりに リストから選択 をクリックし、あらかじめ登録された値を選択することもできます。また、ここでリストを編集することもできます。詳細については こちら をご覧ください。
I は断面 2 次モーメント、Z は断面係数に関する値です。
A は断面積に関するものですが、せん断断面積 As に適用 が有効な場合、これをせん断断面積の有効率として扱います。
初期値に戻す をクリックすると、すべての値を 1 に再設定します。
名称 は省略できますが、何らかの入力があった場合はそれがプリンタ出力に反映されます。
出力項目
w (N/m)
部材に作用する等分布荷重 ( 強度検証用・たわみ検証用 )
P (N)
部材に作用する集中荷重 ( 強度検証用・たわみ検証用 )
M (N・m)
設計曲げモーメント Σ M は荷重1・2の合計値
Q (N)
設計せん断力 Σ Q は荷重1・2の合計値
fb (N/mm2)
許容曲げ応力度
fs (N/mm2)
許容せん断応力度
δ (mm)
部材中央部の弾性たわみ量 Σ δ は荷重1・2の合計値
2 Σ δ / L
弾性たわみ量 ( 荷重1・2の合計値 ) に変形増大係数 2 を乗じた値の部材長に対する比
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