「RC部材のねじり補強」について
プログラムの起動
インストールの方法については小社のウェブサイトの「フリーソフトウェア」のコーナーをご覧ください。
インストール後、すべてのプログラム - Structure の下の RC部材のねじり補強 を選ぶとプログラムが起動します。
プログラムの更新版が存在する場合はプログラム起動時に自動的にダウンロードされますが、何らかの理由で更新されない場合は、メニューバーの ヘルプ - プログラムのインストールサイト を選び、バージョンを確認した上で更新版をインストールしてください。
デスクトップ上にショートカットを作成したい場合は、メニューバーの ファイル - デスクトップ上にショートカットを作成 を選んでください。このプログラムは更新されるたびに異なるフォルダにインストールされますので、上記の操作はプログラムが更新されるたびに行う必要があります。
プログラムの概要
このプログラムは、日本建築学会「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 (2010) 」の P.368 にある「B. ねじり補強筋の算定」にもとづき、RC 部材断面のねじりモーメントに対する検定を行うものです。
-- ねじりモーメントの限界値 --
下式により、部材のねじりモーメントの限界値を求め、設計用ねじりモーメントの値がこれよりも小さいことを確認します。ねじりモーメントがこれよりも大きいものはプログラムの適用範囲外とします。
-- 軸方向鉄筋の必要断面積 --
軸方向鉄筋 ( 主筋 + 腹筋 ) の必要断面積は、設計曲げモーメント M に対して必要な主筋断面積 at と、設計ねじりモーメント T に対して必要な補強筋断面積 as の和として求めます。それぞれ下式によります
上の値の和 at + as よりも、実際に配置された軸方向鉄筋の断面積が大きいことを確認しますが、主筋と腹筋の使用鉄筋が異なる場合を想定し、軸方向鉄筋の断面積は下式により求めます。
-- 必要せん断補強筋比 --
必要なせん断補強筋比は、設計せん断力 Q に対して必要な鉄筋比 pw と、設計ねじりモーメント T に対して必要な鉄筋比 pwt の和として求めます。
設計せん断力 Q のうち、せん断補強筋が負担すべきせん断力 儔 は下式により求められます。
上の値が負になる場合は pw を 0.001 とし、その他の場合は下式により pw を求めます。
設計ねじりモーメント T に対する必要鉄筋比 pwt は下式により求めます。
これらの値の和 pw + pwt よりも、実際に配置されたせん断補強筋の鉄筋比が大きいことを確認します。
プログラムの操作方法
プログラムのインタフェースは小社販売のプログラム「チャート8」とまったく同じです。「チャート8」のユーザーズマニュアル の「 2. 基本的な操作」をご覧ください。
ただし仕様を一部簡略化しているため、メニューバーの「ファイル」-「印刷書式の設定」の項目はありません。印刷書式はすべて「チャート8」の初期設定値が使用されます。
なお、データファイルの拡張子の既定値は nejiri になっています。
入力項目
入力項目の説明は、項目名にマウスポインタを置くとツールチップ内に表示されますが、以下の通りです。
表題
各データの識別に使用されます。
B, D (mm)
断面の幅、及びせい。
d (mm)
断面の有効せい ( コンクリートの圧縮縁から引張鉄筋の重心位置までの距離 ) で、設計モーメントに対して必要な主筋断面積 at の計算に使用されます。通常、この値は鉄筋径とかぶり厚の値から自動計算されますが、この時、引張鉄筋は 1 段に配置されていることを前提にします。2 段配筋を使用している場合等は 有効せい d を直接入力 を有効にした上で、その値を入力してください。
主筋径 全本数
主筋径を選択した上で、断面内にある全主筋本数 ( 上端筋と下端筋の和 ) を入力してください。
腹筋径 全本数
腹筋の断面積を軸方向鉄筋として算入する場合は、その径と全本数を入力してください。腹筋を無視する場合は本数を 0 にします。
せん断補強筋
せん断補強筋の本数・径・間隔 (mm)。
鉄筋のかぶり厚 (mm)
せん断補強筋のかぶり厚の値で、φ0 や A0、あるい断面の有効せいの計算に使用されます。
T (kN・m)
設計ねじりモーメント。
M (kN・m)
設計曲げモーメント。
Q (kN)
設計せん断力。
荷重種別
「長期」または「短期」とします。
Fc (N/mm2)
コンクリートの設計基準強度。軽量コンクリートの場合は 軽量コンクリート を有効にしてください。
鉄筋材料
主筋・腹筋・せん断補強筋のそれぞれについて指定します。
出力項目
各記号の説明については、既述の「プログラムの概要」を参照してください。