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全製品共通


Q.1
CD-ROM 版のディスクを紛失したためにインストールが行えない。
A.
現行版、もしくは旧版「チャート7 」の R2.0 または R3.0 でしたら、製品版のダウンロード からプログラムのインストールモジュールをダウンロードすることができます。
ただし、ハードウェアキーのドライバも別途インストールする必要があります。
Safenet 社の Web サイト にアクセスし、そこにある Sentinel Driver v7.5.8 をインストールしてください。
このインストーラは英文ですが、ライセンスの許諾契約( License Agreement )の画面で I accept... の方にチェックを付け替える他は、すべて初期設定のまま Next あるいは Yes のボタンを押し、最後の画面で Finish を押して終了してください。
上記の作業を終えたらハードウェアキーを USB ポートに挿してください。
Q.2
標準ユーザー権限で CD-ROM 版のプログラムを起動しようとすると「ファイルへのアクセスが拒否されました」というというエラーが出る。
A.
何らかのシステム管理上の理由で、標準ユーザーに対して特定のフォルダへのアクセスを許可していないために起きる現象です。したがって一概に対処法をいうことはできませんが、プログラムをインストールし直すことによって解決できる場合があります。
インストール済みのプログラムをいったんアンインストールしてから再インストールするだけですが、再インストールの時、インストール先のフォルダとして Program Files の下ではない別の場所を指定してみてください。
たとえば初期設定の C:\Program Files\Structure\... の Program Files ( 64ビット版の OS の場合は Program Files(x86) となっている ) の部分を消し、インストール先を C:\Structure\... のようにする方法があります。
前述の通り、これは管理者が標準ユーザーに対して特定のフォルダへのアクセスを許可していていないために起きる現象ですので、上記の方法でもうまく行かない場合はシステム管理者にご相談ください。
Q.3
ダウンロード版がインストールされている環境で Windows 8 から 8.1 にアップグレードしようとすると Sentinel Runtime Driver をアンインストールするように促される。
A.
これは旧形式のプロテクト版のみで起きる現象ですが、まずインストールされているプログラムを最新版に更新した上で、メニュープログラムの画面にある「ユーザー認証」をクリックしてください。
この画面上での右クリックによるポップアップメニューから「ドライバの削除」を選んでドライバをアンインストールします。ダウンロード版の複数のプログラムがインストールされている場合は、そのすべてのプログラムでこの操作を行ってください。
これでエラーメッセージは出なくなり、8.1 へのアップグレード作業を行うことができます。
アップグレード終了後、再び上記のユーザー認証用の画面を表示し、そこにある「実行環境の初期化」をクリックして再びドライバをインストールしてください。これで従来通りプログラムが使えるようになります。
Q.4
プロテクトキーのドライバをインストールしようとすると、「インストールパッケージを開くことができません」というというエラーが出る。
A.
このインストーラはマイクロソフト社の Windows Installer というシステムを利用しているのですが、このシステム内で生じている問題のために、ごくまれに、そのようなエラーが出ることがあるようです。
ウィルスチェックソフト等の常駐ソフトをいったん停止した上で再度インストールを試みてください。それでも解決できない場合は次の手順でドライバをインストールしてください ( これは Windows Installer を使用せずにドライバをインストールするものです ) 。
まず、以下のファイルをダウンロードします。

instdrv32.zip (442KB)

ダウンロードしたファイルを適当なフォルダ内に解凍し、ここにある InstDrv.exe をダブルクリックして起動してから「開始」ボタンをクリックします。
コマンドラインウィンドウが開き、しばらくカーソルが点滅した後、ウィンドウが閉じてインストールが終了します。キーを装着し、ランプが点灯することを確認してください。

それでもランプが点灯しない場合は、「コントロールパネル」-「ハードウェア」から「デバイスマネージャ」を開いてください。
ここに「ほかのデバイス」というノードがあり、その下に Sentinel Hardware Key という項目がありますので、ここで右クリックして「プロパティ」画面を開きます。
「ドライバー」ページを開き、「ドライバーの更新」を選びます。
次の画面では「自動検索」ではなく、「ドライバーの手動検索」をクリックします。そして、ドライバーの場所として上記の instdrv32.zip ファイルの格納先のフォルダを指定してインストールを行ってください。
Q.5
ダウンロード版の起動時に表示される「PCに変更を加えることを許可しますか」というメッセージを出ないようにしたい。
A.
ご注意
この件については、現行製品のダウンロード版 ( ただし 2021 年に販売終了 ) については、初回起動時のみ確認ダイアログが出ますが、二回目以降は出ないように改良済みですす。現行製品のダウンロード版をお持ちの方はプログラムを更新してください。

ダウンロード版では起動時にシステムレジストリ内の認証情報を参照するのですが、この時、どうしても管理者権限が必要になります。すでに管理者権限でログインしているのであれば何の問題もなさそうですが、Windows Vista 以降、ユーザーアカウント制御 ( UAC ) というシステムが取り入れられ、管理者権限を持っていても特定の操作を行う時にはその都度確認するように仕様が変更されました。

以下の操作によりこの機能を無効化し、このメッセージを出さないようにすることができます。ただし、システムのセキュリティのレベルを下げることになりますので慎重に行ってください。
コントロールパネル ( Windows10 の場合は「Windows システムツール」-「コントロールパネル」 ) の「ユーザーアカウント」の項目を選び、次の画面で再び「ユーザーアカウント」を選びます。下の方に「ユーザーアカウント制御設定の変更」というリンクがあるはずですので、これをクリックします。
次の画面に縦長のスライダーバーがありますので、これを一番下に下げ、「通知しない」としてください。
Q.6
製品のショートカットを全ユーザーで共有したい。
A.
現行の CD-ROM 版あるいはダウンロード版では、デスクトップにショートカットを作る際、その場所を「現在のユーザー」「すべてのユーザー」から選択できるようになっていますが、以前のものではつねに「現在のユーザー」のデスクトップに作られてしまいます。
全ユーザーのデスクトップ上にショートカットを表示したい場合は以下の操作を行ってください。

Windows エクスプローラを起動し、デスクトップ上の所定のアイコンを ユーザー → パブリック → パブリックのデスクトップ ( あるいは Desktop ) に移動してください。
Q.7
プログラムのインストールフォルダ内に保存したデータが見当たらない。
A.
プログラムの標準的なインストール先である Program Files あるいは Program Files(x86) という場所はシステムにより保護された特別なフォルダで、インストールプログラム以外のものあるいはユーザーがここにあるファイルに手を加えたり新たにファイルを作成することは原則として禁止されています。
しかし古いプログラムでは、この場所にある何らかのファイルに書き込みを行ったりするものがあるため、Windows7 以降「リダイレクト」という処理が行われるようになりました。これは、ここに新しいファイルを作ると、実際には別の場所に送られ、ユーザーの側から見るとあたかもその場所にあるかのように見せかけるシステムです。
ファイルのバックアップをとる等の理由でそのファイルにアクセスしたい場合は以下のようにしてください ( Windows10 の場合 ) 。

まず Windows エクスプローラを起動し、メニューバーの「表示」を選び、さらに一番右にある「オプション」を選んでダイアログを表示します。
ここで「表示」タブを選び、「詳細設定」のリストボックスを見てください。ここにある「ファイルとフォルダの表示」の項目の下に「隠しファイル、隠しフォルダ、および隠しドライブを表示する」がありますので、これを有効にして「適用」を押して画面を閉じます。
次に Windows エクスプローラ上で、Cドライブの下にある以下のフォルダを展開します。
C:\
 ----- ユーザー
  ----- ( ユーザー名 )
   ----- AppData
    ----- Local
     ----- VirtualStore
      ----- Program Files(x86) ( 32bit 版 OS の場合は Program Files )
       ----- Structure
        ----- ( 製品のインストール先のフォルダ名 )

上の「製品のインストール先のフォルダ名」の中に、自分で作成したデータファイルがあるはずです。
いずれにせよ、プログラムのインストールフォルダ内ではなく、「ドキュメント」フォルダ内にデータを作成するように心がけてください。
Q.8
プログラムをアンインストールしようとすると「パス *.msi が見つかりません」というエラーが出てアンインストールできない。
A.
ごくまれにですが、レジストリファイルが破損したり、あるいはその情報にアクセスできないためにアンインストールできなくなることがあります。
プログラムを強制的に削除するツールがマイクロソフト社から配布されていますので、まず、以下にアクセスしてください。

https://support.microsoft.com/ja-jp/help/17588/windows-fix-problems-that-block-programs-being-installed-or-removed

ここから「ダウンロードする」を選び、起動すると「インストール」または「アンインストール」の選択があります。
ここで「アンインストール」を選ぶとソフトの一覧が表示されますので、該当するプログラム名を選んでアンインストールしてください。
Q.9
PC のシャットダウン後に USB ドングルキーが点滅する。
A.
USB ドングルキーのライトが点灯しているのは「給電されシステムに認識されている」状態です。これに対し、点滅を繰り返すのは「給電されているがシステムに認識されていない」状態になります。
したがって、キーが点滅するのは異常ではなく、シャットダウン後もポートに電気が供給されていることをあらわしています。機種によってはシャットダウン後もポートに電気を供給するものがありますが、そのような PC ではこのような現象が起きます。
気になるのであればキーを抜いてください。
また、ご自身にとってこのような機能 ( シャットダウン後の給電 ) が必要ないのでしたら、これをオフにしてください。ただし、これには BIOS レベルの設定変更が必要になりますので、操作方法については PC のメーカーに問い合わせてください。
なお、「これまでこのような事は起きなかったが...」という問い合わせをいただいたことがありますが、Windows Update 等のシステム更新時にこの機能が有効になってしまうことがあるようです。この場合も同様に処置してください。

チャート8 全般


Q.1
Windows システムの再インストール後にプログラムを起動しようとすると「プログラムは動作を停止しました」というエラーが出る。
A.
Windows を再インストールすると、以前に使っていた「マイドキュメント」フォルダにアクセスできなくなることがありますが、プログラムが起動時にそのフォルダにアクセスしようとして失敗することが原因になっている可能性があります。
以下の手順でフォルダへのアクセス権を確保してください。
管理者権限でログイン後、「マイドキュメント」フォルダ ( C:\ユーザー\ユーザー名\ドキュメント ) を右クリックして「プロパティ」画面を開きます。「セキュリティ」ページの「詳細設定」 ボタンをクリックし、このフォルダに対して必要なアクセス権を設定してください。
Q.2
作成したデータを旧版「チャート6 」で読み込みたい。
A.
「チャート7」をお持ちであれば可能です。
まず「チャート8」を起動してデータを開き、メニューバーの「ファイル」-「旧版の形式で保存」により、それを「チャート7」のデータとしていったん保存します。
次に「チャート7」を起動してそのファイルを開きます。その上でメニューバーの「ファイル」-「旧版の形式で保存」により「チャート6」のデータとして保存してください。
Q.3
Windows10で印刷すると文字化けが起きる。
A.
この問題は現行の Windows10 では解決済みです。
Q.4
「ノートン インターネットセキュリティ」を使用していると「ファイルが見つからない」というエラーが出る。
A.
本製品の CD-ROM 版にはプロテクトキー用の特殊なプロテクトが施されていますが、ノートン製のセキュリティ対策ソフト「ノートン インターネットセキュリティ」がこれを誤検知してセキュリティ保護機能が働き、正常に起動できないという現象が発生しています。これは上記ソフトの誤りによるものですので、以下のように対処してください。
ご注意
この現象については開発元から誤認であるとの報告を受けていますが、その原因が明確なので、当社ソフトの方を改良し、2019年8月19日に修正版を配布しました。
メニュープログラムの「プログラムの更新」のリンクから更新版がインストールできる場合は、下記の復元作業を行う必要はありません。

1
「ノートン インターネットセキュリティ」のメイン画面を起ち上げ、「セキュリティ」-「履歴」をクリックします。
2
「最近の履歴」をスクロールし、「重大度」欄に赤丸がつき、その横の「活動」欄に「RCS8_?.exe」、あるいは「RC8W?.exe」「SC8W?.exe」「RP8W?.exe」という名前のファイル ( ? は任意の数字 ) が記載された行を探して選んでください。
( もし上の画面に該当する項目がない場合は、自動スキャンによって隔離された可能性もありますので、「最近の履歴」ではなく「解決されたセキュリティリスク」の方を表示してみてください。)
3
右側の「詳細」内の上の方にある「復元」をクリックしてください。
4
「検疫の復元」画面で復元の許可を求められますので、「はい」を選んで画面を閉じます。

上記の処理を行っても再び同様のトラブルが起きる場合は、当社のソフトがインストールされているフォルダそのものをセキュリティスキャンから除外するように設定してください。除外の具体的な方法については、ノートン社の以下のサイトをご覧ください。
https://support.norton.com/sp/ja/jp/home/current/solutions/v3672136_ns_retail_ja_jp
Q.5
マカフィーのセキュリティソフト「リブセーフ」を使用していると「ファイルが見つからない」というエラーが出る。
A.
これはセキュリティソフトの誤認 ( マカフィー以外のセキュリティソフトではこのような現象は起きません ) により、一部の実行ファイルが「感染ソフト」と見なされ、隔離されるためにおきます。
マカフィー社が修正版を配布するまで、当面、以下の方法でファイルを復元してください。なお、以下の操作は 2018 年 6 月時点の最新版でのものです。 これと異なるバージョンの場合は若干画面の構成が異なる場合があります。詳しい操作についてはマカフィー社に直接お問い合わせください。
1
「リブセーフ」の画面を開き、画面右上にある「設定」 ( 歯車のアイコン ) をクリックするとメニューがドロップダウンします。ここから「隔離項目」を選びます。
2
次の画面に「隔離された項目」がありますので、これをクリックして展開すると、隔離されたファイル名等の情報がリストされます。
3
ここに、メニュープログラムの場合は「Suite2.exe」「RCS8.exe」等、個々の実行ファイルの場合は「RC8W?.exe」「SC8W?.exe」「RP8W?.exe」という名前のファイル ( ? は任意の数字 ) があるはずです。それを選択した上で「復元」をクリックしてください。

以上の操作で隔離されたファイルが元の場所に戻りますが、ただし、再度同じプログラムを起動した時に再び隔離されてしまうことがあるようです。
その場合は、以下の要領で、該当するファイルをウィルススキャンから除外してください。
4
ホーム画面で「パソコンのセキュリティ」タブをクリックして開きます。
5
左側のメニューから「リアルタイムスキャン」を選ぶと別ウィンドウが開きます。
6
「除外するファイル」の下にある「ファイルを追加」をクリックし、さきほど隔離されたファイルを選んでください。

マカフィー製のソフトのアンインストールについて
通常の方法ではマカフィー製のソフトが完全にアンインストールできない、という事例があるようです。これについては、マカフィー社がアンインストール用の専用ソフトを配布していますので、以下を試してみてください。
マカフィーのホームページ の上部にある お客様サポート を選びます。「よくある質問」の「製品のインストール / アンインストールについて」の中に Windows パソコンから製品をアンインストールしたい というリンクがありますので、その記述にしたがって操作してください。
Q.6
ファイルの保存や印刷時に「プログラムファイルが見つからない」というエラーが出る。
A.
このプログラムのCD-ROM版のプロテクトキーには、現行タイプの他に旧タイプのものがあり、これらはそれぞれインストールモジュールが異なります。
これらのインストーラはインストールIDが異なるため、重複してインストールすることができ、しかも初期設定のインストール先が同じ名前のフォルダになっています。そのため、旧タイプのキー用のプログラムがインストールされた状態で現行タイプ用のプログラムをインストールすること ( あるいはその逆 ) ができてしまいます。
そのような状態でプログラムを使うと、ファイルの保存や印刷時に「プログラムファイルが見つからない」というエラーが出ることがあります。
これを正常な状態に戻すには、プログラムをいったんアンインストールします。インストールリストに同じ名前のプログラムが複数ある可能性がありますが、その場合はすべてをアンインストールしてください。
さらに、Windows エクスプローラ等を使い、Program Files(x86)\Structure 以下にある製品のインストール先フォルダに削除されないファイルが残っているかどうかを確認し、残っている場合は手動で削除 ( 管理者権限が必要 ) してください。
その後、お持ちのキーに適合したプログラムをインストールすれば正常に動作します。

チャート7 全般


Q.1
R2.0 をインストールしている環境に R3.0 をインストールして使用していたが、R2.0 を削除した後に R3.0 を起動しようとすると「起動環境に誤りがある」というエラーメッセージが出る。
A.
これらのプログラムの旧版と R3.0 は一部の情報を共有しているためにこのような現象が起きます。R3.0 の方もいったん削除し、その後に再インストールすればこの現象は回避できますが、以下のような方法をとることもできます。
プログラムのインストールフォルダ内に InitEnv.exe という実行ファイルがありますので、これをダブルクリックして起動してください。「レジストリ情報を初期化します」と書かれたダイアログがあらわれますので実行してください。
Q.2
旧版「チャート5 」のデータを読み込みたい。
A.
これらのデータを現行のプログラムで読み込むための変換ツールを別途配布しています。
現行版 R3.0 をお持ちの方はプログラムのインストールフォルダ内に RCS5to7.exe という実行ファイルがありますので、これをダブルクリックして起動してください。
それ以外の方は フリーソフトウェアのダウンロードサイト にある「チャート5 のデータ変換」からプログラムをダウンロードしてください。
Q.3
メニューから各プログラムのアイコンをクリックして起動しようとすると「XXX.exe が見つかりません」というエラーメッセージが表示される。
A.
プログラムの再インストールあるいは更新時に以前と異なるフォルダにインストールしたことにより、特定のユーザーのレジストリの情報が正しく書き換えられなかった時にこのような現象が起こることがあります。
以下のようにしてレジストリの情報を初期化してください。
上記の現象が見られるユーザーの権限でログインした後、「マイコンピュータ」や「Windows エクスプローラ」を使ってプログラムのインストール先 ( デフォルトでは C:\Program Files\Structure の下に作られる製品名のフォルダ ) を検索し、CD-ROM版の場合は InitEnv、ダウンロード版の場合は InitReg という名前の実行ファイルを見つけてください。
このファイルをダブルクリックして起動すると、「レジストリの情報を初期化します」と書かれたダイアログがあらわれますので実行してください。
Q.4
R2.0 を新しい PC にインストールしたが、特定のプログラムだけ起動しない。
A.
お持ちのインストールディスクが古いもので、しかも、インターネット回線を通じた更新の際に一部のファイルが正しく書き換えられなかった、というような原因が考えられます。
まずインストール済みのプログラムを削除した後、CD-ROM 版の配布 からお持ちの製品のインストーラをダウンロードしてインストールします。そして再インストールの時、インストール先のフォルダとして Program Files の下ではない別の場所を指定してみてください。
たとえば初期設定の C:\Program Files\Structure\... の Program Files ( 64ビット版の OS の場合は Program Files(x86) となっている ) の部分を消し、インストール先を C:\Structure\... とする方法があります。
Q.5
プログラムの起動時に SECURE LODER ERROR というエラーが出る。
A.
これは初期に配布していた「チャート7 初期版」で見られる現象で、プログラムが Windows Vista 以降の OS に対応していないために起きる現象です。
Windows XP であればこの現象は起きませんが、ただし、認証用のサーバーがすでに閉鎖されているため、いずれにしても、このバージョンのものを新しい PC にインストールしてお使いになることはできません。
Q.6
「名前をつけて保存」ダイアログで新しい名前を指定した時、拡張子が自動的に付加されない。
A.
直接的な原因はファイル名の中にピリオド ( 小数点 ) を使用したことです。
たとえば RCチャート「スラブの設計」で 2006-5-24 という名前をつけて保存したとしますと、この場合は自動的に拡張子 R01 が付加され、2006-5-24.R01 というファィル名で保存されます。一方、これを 2006.5.24 という名前にした場合、システムでは「ファイル名に最後にあらわれるピリオド以下は拡張子である」と判断します。つまりこの場合、「ユーザーが 24 という独自の拡張子をつけた」と判断されますので、システムではデフォルトの拡張子は付加しません。つまりこのファイル名は 2006.5.24 になります。
ファイル名の中のピリオドは、このように特別な意味をもちますので、上のような現象を避ける最良の方法は「ファイル名の中にピリオドを使わない」ことです。もし、何らかの理由でどうしてもピリオドを使いたい場合は、拡張子を含めて入力するようにしてください ( つまり 2006.5.24.R01 と入力する ) 。
Q.7
印刷時の行間の設定を「1 行」にすると一部のプログラムで図の寸法線や寸法表示と計算結果のテクスト表示が重なってしまう。
A.
一部のプログラムで上記のような現象があることを確認しています。図を描画するプログラムの使用時には行間をデフォルトの「 1.25 行」として使用してください。
一般に、行間を小さくしても 1 頁あたりに出力されるデータ数にそう大きな変化はありませんので、通常はプログラムのデフォルト値を使用することを推奨します。

RCチャート関連


Q.1 スラブの設計
入力する荷重の値 w とは、スラブの自重分を含まない値なのか?
A.
マニュアルあるいはヘルプにある通り、w とは、スラブの自重分を含んだ「全荷重」、分かりやすく言えば、構造計算書の床荷重表にある、床計算用の合計荷重の値です。これとは別に、スラブ厚 t の入力がありますが、これは断面計算用の値であると考えて下さい。
Q.2 梁の設計 ・ 小梁の設計 ( 連続梁の一連計算 )
梁の「ひび割れモーメント」が出力されるが、準拠式を教えてほしい。また、設計応力がこの値を超えてはいけない、ということなのか?
A.
マニュアルの「梁の設計 (1) 計算機能」に解説している通りですが、これは RC 規準の (8.5) 式で求めています。また、この時の RC 断面の断面性能は、同規準の 60 ページにある精算式を使っています。
この値は、参考値として出力しているもので、設計応力がこの値を超えてはいけない、というような規定がある訳ではありません。特に、梁の上端については、通常何らかの仕上げ材がありますので、ひび割れモーメントについては考慮しないケースが多いかと思います。
Q.3 梁の設計 ・ 柱の設計
高強度せん断補強筋を使うためにダイアログを開き、径や断面積等を入力したが、「すべての値を入力して下さい」と出る。
A.
プログラムのインストール後、高強度せん断補強筋に関するデータの入力がまだ一度も行われていない場合には、このダイアログの「せん断耐力式」の欄には、普通鉄筋に適用される RC 規準の値( 0.002、及び pw の最大値 1.2% )が表示されています。これは、入力単位の間違い等を避けるための凡例として表示していますので、実際に使用する場合には、これらの値を書き換えて下さい。一般に、大臣認定品の高強度せん断補強筋の場合には、これらの値は、普通鉄筋の適用値とは異なります ( 詳しくは製品カタログ等をご覧下さい ) ので、これらの値は必ず書き換える必要があります。
Q.4 梁の設計
梁せいが小さな部材を計算した場合、RC 規準の断面算定図表から求めた耐力との誤差が大きく出る。
A.
RC 規準 ( 旧版 ) の断面算定図表は dc = 0.1d 、つまりコンクリートの圧縮縁から圧縮側の鉄筋の位置までの距離が梁の有効せいの 10% である、という仮定に基づいています。これは何らかの仮定に立たないと図表が作成できないためですが、プログラムではこのような仮定を採用せず、実際の dc の値を求めています。その違いによるものです。
Q.5 梁の設計
釣り合い鉄筋比以下なので略算式にて耐力をチェックしてみたが、プログラムの出力値とかなり誤差がある。
A.
プログラムでは「釣り合い鉄筋比以下の場合は略算式・それ以外の場合は精算式」という使い分けをしているわけではありません。つねに精算式で計算しています。
M = at・ft・j ( j = 7/8 d ) という式はあくまで「略算」であり、「釣り合い鉄筋比以下の場合にこの式が精算式と同じ値を与える」というわけではありません。
RC 規準の解説等を見ていただくと分かるように、 j = 7/8 d という仮定は dc = 0.1d 、つまりコンクリートの圧縮縁から圧縮側の鉄筋の位置までの距離が梁の有効せいの 10% である、という仮定に基づいています。
たとえば有効せいが 2m の梁の場合、コンクリートの圧縮縁から圧縮側の鉄筋の位置までは 200mm であると仮定していることになります。しかし実際の dc はこれよりも小さな値になりますので、一般に梁せいの大きな部材については、 j = 7/8 d とした略算式の値よりも精算した値の方が大きくなると言えます。
Q.6 場所打ち杭の設計
「フープ筋を考慮」とした時の計算式は? また、フープ筋を考慮すると、逆にせん断耐力が下がることがあるのだが。
A.
せん断補強筋を考慮した円形断面のせん断耐力式については、現在の所、明確なものがありません。慣例に従い、円形断面を等価断面積の正方形に置き換えた上で、RC 規準の式を適用しています。この結果、せん断補強筋の量が小さい場合には、それを考慮しない場合の耐力 ( つまり単純な円形断面のせん断耐力 ) を下回ることがあります。
Q.7 杭の許容支持力
「理論式による杭の耐力」の値に L/D 低減値を考慮していないが、東京都の「構造設計指針 1991」に記載のフローチャートと合わないのではないか?
A.
上記の指針に掲載されているフローチャートは本文の記述と矛盾しており、間違っています。東京都建築士事務所協会「構造設計指針 1991 Q&A 集」の中に「間違いであった」という旨の記述があり、1997 年に発刊された「構造設計指針 1991 改」にて訂正されています。
Q.8 独立基礎の設計・杭基礎の設計
「偏心モーメントを考慮」とし、X 及び Y 方向に曲げを指定したが、思ったような結果が得られない。
A.
プログラムでは、X 方向と Y 方向に同時に曲げ外力が指定されると、それらの曲げが「同時に」作用した、いわゆる二軸曲げ状態の計算を行ってしまいます。そうではなく、X 方向と Y 方向を別々に考える ( 通常の設計 ) のであれば、データを二つにし、一つのデータで X 方向、もう一つのデータで Y 方向の曲げのみを作用させ、二つのデータの結果から最終的な配筋を決定して下さい。
Q.9 独立基礎の設計・杭基礎の設計
「配筋」に表示される鉄筋本数が、曲げによる at の値から求められる最低本数よりも多くなっている。
A.
基礎の形状が長方形で、かつ鉄筋を「均等ピッチで配置する」とされている場合には、RC 規準 20 条 (5) 及びこの項の解説にあるような方法で長辺方向の鉄筋本数を自動的に調整しているため、一般に、長辺方向については、設計応力から必要とされる最低配筋量以上の本数が表示されます。
Q.10 独立基礎の設計・連続基礎の設計・杭基礎の設計
必要付着長さ ldb の値が、基礎のせい等のデータを変えても全く変わらない。また、この値は長期についてしか計算していないようだが。
A.
必要付着長さは RC 規準 (15) 式により求めていますが、このプログラムでは、この時の σt ( 鉄筋の存在応力度 ) の値として許容引張応力度を使っています。従って、設計応力の大小とは無関係にldbの値が定まります。
RC 規準 (15) 式は以下のようになっています。
  ldb = σt * As / K * fb * ψ
ここで、荷重の長短期に関わるのは、σt・fb・K の 3 つの値です。K の値は、短期の場合は「付着割裂面を横切る横補強筋の効果を取り入れてよい」となっています。しかしこれは、基礎スラブの配筋については無視するべきものと考えると K の値は一定になります。また、σt と fb の値は長短期で異なりますが、上述の通り、σt に材料の許容応力度を使えば、σt / fb の値は一定になります ( 両者とも長期については同じ安全率 1.5 をとっているため ) 。
従って、以上のような考え方をすれば、長短期にかかわらない ldb の値が定められます。
Q.11 擁壁の設計
底版下に突起を付けた場合、その位置に関する入力はあるが、長さの入力欄がない。また、突起の配筋はどのようにしたら良いか。
A.
底版下の突起の効果は、底版より前面の部分の「土−土」のせん断抵抗によって計算しています ( 具体的な計算式についてはマニュアルを参照 ) 。したがってこの場合、突起の「長さ」というデータは計算に全く関与しません。
当然、この突起は底版の後ろの方に付けなければ意味がありません。また突起の長さは、通常、底版の幅の 10 から 15% 程度とされているようです。
なお、上記の考え方の他に、この突起を片持梁と考え、その受動土圧抵抗によってすべりに抵抗する、とする慣用的な設計法もあるようですが、オーソライズされた設計手法ではなく、ここでは採用していません。突起の長さを長く取ればそれだけ支持地盤を荒らすことになり、設計上好ましくありません。
突起部分の配筋については、通常は、ひび割れ防止筋程度を入れておけば良いのではないかと思います。いずれにしても、この部分の配筋計算はプログラムでは行っていません。
Q.12 擁壁の設計
内部摩擦角を入力せず、土圧係数を直接入力した場合、壁面摩擦角はどのようにとられるのか?
A.
土圧係数を直接入力した場合、壁面摩擦角は考慮しません。直接入力した土圧は水平に作用しているものとします。その結果、特に地盤に傾斜がある場合には、土圧係数を直接入力した場合と、内部摩擦角を入力して自動計算させた場合とでは、結果が大きく違ってきますので注意して下さい。
Q.13 擁壁の設計
背面地盤が傾斜しているものに対して地震時の計算を指定しているが、計算時に「地盤の傾斜角が地震時土圧公式の適用外です」と出る。
A.
地震時土圧の計算式は、マニュアルにあります通り、「岡部・物部式」または「試行くさび法」を用いています。「岡部・物部式」の適用範囲は
  φ ≧ β + θ 及び  90゜> α + δ + θ
です。つまり、比較的傾斜が緩いものに対して適用されます。これを超えるものについては「試行くさび法」で計算して下さい。
Q.14 擁壁の設計
壁の応力値が手計算と違う。
A.
原因は以下のいずれかと思われます。
  1. 転倒計算用の土圧を使っている − 壁体計算用の土圧係数は、壁とコンクリートの間に生ずる摩擦角 ( 壁面摩擦角 ) により、一般に、転倒計算用の土圧係数とは値が異なります。
  2. 壁面摩擦角を考慮していない − 壁面摩擦角により、壁体に作用する土圧荷重は一定の傾斜をもちます。壁体の設計用応力は、この荷重の水平方向成分に対して計算しています ( ただし「壁面摩擦角を無視する」という指定が有効であればこの傾斜角は無視される ) 。

Q.15 擁壁の設計
プリンタに何も出力されない。
A.
「印刷書式の設定」の「行間」は初期状態では「 1.25 行」に設定されていますが、これを「 1.5 行」に変更したり、あるいは文字のサイズを 12 ポイント以上にしたりすると、印刷環境によってはそのような現象が起きることがあります。
行間の設定を 1.25 行に、文字のサイズを 11 ポイント以下にしてください。それでもうまく行かない場合は「用紙の余白を小さくする」等の対処をとってください ( Ver.7.4.1 以降では、「擁壁」の印刷時に限り、ユーザーの指定を無視して「行間 1.25 行・文字サイズ 11 ポイント以下」で印刷するように仕様を変更しています ) 。
Q.16 擁壁の設計
クーロン土圧を求める際の壁面摩擦角 δ の値が 0 になっているようだが。
A.
壁面摩擦角とは、土とコンクリートの間で生じるものです。これに対し、このプログラムでは、反力式の擁壁のすべり面を「仮想背面」に仮定しています ( 詳細はマニュアル参照 ) 。したがって、このすべり面では土とコンクリートの間の摩擦は生じませんので、壁面摩擦角 δ は 0 になります。
なお、マニュアルの中で、この δ という記号は、クーロン式の壁面摩擦角のほか、安定計算時と壁体の断面設計時の土圧の作用角としても使用されていますが、この 3 つの δ は相互に無関係です。
また、プログラムの中に「壁体の応力計算時に壁面摩擦角を無視する」という指定がありますが、これもクーロン式中の δ とは無関係です。
Q.17 小梁の設計 ( 連続梁の一連計算 )
梁の変位量の計算式を教えてほしい。
A.
何らかの中間荷重が作用し、かつ材端に曲げが発生している部材の変形性状は、中間荷重が作用する単純梁の変形性状に、材端曲げによる変形性状 ( 材端曲げによる「曲げ戻し」 ) を加算することにより求められます。また、中間荷重は、それがどんな形状の荷重 ( 長方形・三角形等 ) であれ、微小な集中荷重の集合であると考えることが出来ます。従って、まず中間荷重を微小な集中荷重に分解し、各々の集中荷重により生ずる変形曲線を重ね合わせることにより、作用する全中間荷重による変形曲線を得ることが出来ます。その後、この変形曲線に、材端曲げによる変形曲線を重ね合わせます。
つまり、ここで使用している式は、単純梁の任意位置に集中荷重が作用した時の変形曲線を求める式と、単純梁の端部に曲げが作用した時の変形曲線を求める式の二つになります ( これらの式の具体的な内容については構造力学の参考書あるいは公式集等を参照 ) 。
ただし、これは一つの梁について何十回あるいは何百回と計算を繰り返すことになりますので、手計算向きの方法ではありません。手計算で梁の曲げ変位量を求めるには「モールの定理」を用いるのが最も簡便です。
Q.18 小梁の設計 ( 連続梁の一連計算 )
単純梁の計算を行ったが、荷重項の計算結果にあるせん断力 Q の値と応力計算結果の Q の値が一致しない。
A.
荷重項の計算結果にある Q は、単純梁のせん断力、いわゆる Q0 の値ではなく、両端固定梁のせん断力です。単純梁の応力計算を行うと両端の曲げが解除され、応力計算の結果として Q0 の値が出力されます。
Q.19 小梁の設計 ( 連続梁の一連計算 )
応力がほぼ同じなのに算定計算を実行すると端部と中央の鉄筋本数が違う。
A.
プログラムの初期設定では、端部についてはつねに精算式、中央部については ( スラブの効果を考慮して ) 略算式を使う、という設定になっています。したがって、計算式が違うため、というのが一つ目の理由です。(「梁の設計」の回答にもありますが、端部については釣り合い鉄筋比以下かどうかに関わりなく精算式が使われるということ、および、釣り合い鉄筋比以下であっても精算式と略算式の解がぴったり一致するわけではない、ということに留意してください。 )

もう一つは、「精算式を用いた算定計算」という方法の問題です。略算式による算定というのは圧縮側の鉄筋を考慮しませんので、非常に単純で、たんに引張り側の鉄筋の必要断面積を求めればよいのですが、精算式の場合には、引張鉄筋と圧縮鉄筋の比 ( 複筋比 ) が関与するためにやや複雑になります。
精算式を用いた算定とは、「応力値をクリアーするような引張り・圧縮鉄筋の可能な組合せのうちの一つを示しているに過ぎない」ということになります。たとえば、ある応力に対して「引張側 3 本・圧縮側 3 本」でも「引張側 4 本・圧縮側 2 本」でも設計可能なケースはあるわけですから、算定計算の結果がそのどちらになるかは、算定計算の方式によることになります。

このプログラムで用いている算定計算は、「引張り側の鉄筋量が最小になるような配筋を出力する」という方針で行っています。あきらかに、引張り側の鉄筋量が最小になるのは複筋比が 1.0 の時ですので、まず複筋比が 1.0 の時の鉄筋本数を定めます。しかし、この状態は必ずしも圧縮側の最小鉄筋量を表しているわけではありませんので、次に、応力をクリアーする設計可能な範囲で圧縮側の鉄筋を 1 本ずつ減らして行き、最終的な配筋を定めています。

したがって先の例で言えば、ある応力に対して「引張側 3 本・圧縮側 3 本」でも「引張側 4 本・圧縮側 2 本」でも設計可能であるという場合、このプログラムの精算式による算定計算では必ず「引張側 3 本・圧縮側 3 本」と出ることになります。
しかし、いずれにしてもこのプログラムの基本的な考え方は「検定計算」であり、「算定計算」とはそのための目安を与える補助的な方法と位置づけています。「引張側 3 本・圧縮側 3 本」とするか「引張側 4 本・圧縮側 2 本」とするかは設計者する方が決めてください、ということです。
Q.20 小梁の設計 ( 連続梁の一連計算 )
端部の固定度を 0.6 としたのに、応力計算結果が 0.6C ( 固定端モーメントの 0.6 倍 ) にならない。
A.
「固定度」という考え方は手計算持に採用される便法で、明確な定義はないと思いますが、ここでは、梁の外端に取り付く仮想の部材を考え、この仮想部材の剛比が無限大の時を固定度 1 ( 完全固定 ) 、0 の時を固定度 0 ( 完全ピン ) とし、その間の状態を 0 から 1 の範囲の数値で表し、これを「固定度」と呼ぶことにしています。
固定度 0.5 の時は実際の梁と仮想梁の剛比の比が「 1 : 1 」、固定度 0.6 の時はそれが「 6 : 4 」になるように仮想梁の剛比を定めています。つまり、固定度が 0.6 であるという場合、計算上の前提として固定度という考え方を設定しているので、計算の結果が 0.6C になるように調整している、ということではありません。
Q.21 小梁の設計 ( 連続梁の一連計算 )
短期の許容せん断力の値がかなり小さく計算される。
A.
2010 年版の RC 規準にもとづいた計算を行っていますが、このプログラムで短期許容せん断力の計算式として採用しているのは、ここにある「損傷制御」の式です。
規準の解説文にもありますが、この規準では「残留せん断ひび割れ幅が過大にならない」ことを目的とし、従来の規準よりも許容せん断力を低く抑えています。
規準の ( 15.3 ) 式を見てください。この { } 内の第一項ではコンクリートの許容せん断応力度を 2/3 倍していますので、これは結果的に長期の許容せん断応力度と同じ値になります。
そこで長期の許容せん断力を求める ( 15.2 ) 式と比較していただきたいのですが、結局、両者で実質的に違うのは鉄筋の許容応力度の値だけ、ということが分かります。その結果、せん断補強筋比が小さい部材では長期と短期の許容せん断力の値はほとんど変わらなくなるのです。
Q.22 小梁の設計
スタラップ筋の算定が行われない ( チャート8 ) 。
A.
断面計算の画面内に「算定計算」というリンクがありますが、これは主筋本数の算定を行うもので、スタラップ筋の算定は行っていません。
「RCチャート8」からそのように仕様を変更したのですが、旧版ではスタラップ筋の間隔を算定を行っていたこと、ならびに、マニュアルやヘルプにスタラップ筋の算定に関する記述が残っているために誤解を与えてしまったようです。
もし従来通りにスタラップ筋の算定を行いたい場合は、スタラップ筋の間隔を 0 と入力した上で算定または検定計算を行ってください。算定された間隔が入力欄に転記されます。
なお、補足しますが、主筋の算定を行う場合も、引張側の 1 段筋の本数を 0 とした上で検定計算を行えば、その欄に算定された主筋の必要本数が転記されます。
Q.23 小梁の設計
設計曲げを「最大値」とした時、梁自重を入力あるいは自動計算した場合と荷重形で指定した場合の計算結果が異なる ( チャート8 ) 。
A.
設計曲げが「最大値」とされている場合、指定された荷重形を微小な集中荷重に変換して最大曲げとその発生位置を求めています。
一方、「梁自重」として指定された等分布荷重については上記のような処理を行っていないため、「指定された荷重形による最大曲げ + 最大曲げが発生する位置に生ずる自重による曲げ」を最終的な曲げの値として採用しています。
したがってこの場合、厳密な意味での「最大曲げ」にはなりませんが、多くの場合、全体の曲げに与える自重の影響は小さいため、実務上大きな問題にはならないと考えています。
厳密な最大曲げの値を求めたいのであれば「梁自重」として入力せず、「荷重形 ( 等分布荷重 ) 」で指定してください。

Sチャート関連


Q.1
許容曲げ応力度の値が旧版のものと違う。 ( チャート7 )
A.
2005 年に日本建築学会「鋼構造設計規準」の新版が出ており、横座屈を考慮した部材の許容曲げ応力度の計算式が従来のものから変更されています。計算結果に違いが出るのはプログラムの初期設定がこの新版の式を使うようになっているからです。何らかの理由で旧版の式を使用したい場合は、メニューバーの「ツール」-「オプション」で変更することもできます。
ただし、横座屈を考慮した部材の許容曲げ応力度の計算式は新版のものが「精密解を与える本来の式」で、旧版にあったものは、対象を H 形鋼に特化して書き換えた簡便式である、とされていますので、設計にあたってはその点に留意してください。
Q.2
H 形鋼の断面性能の値が規格値と違う。
A.
1995 年に JIS 規格の改定があり、H 形鋼のウェブフィレットの半径の値が変更されています。このプログラムの設定値は改定後のものになっています。
Q.3 小梁の設計
BH 材を使い、板厚を一定にして梁せいを変えながら計算してみたが、梁せいを変えても断面積 A の値が変わらない。
A.
ここで出力される断面性能は、鋼構造規準の「板要素の幅厚比」の規定に従って計算される有効断面に関するものです。したがって、ウェブの巾厚比が非常に大きい場合、この規定をこえるウェブ部分が無視されます。その結果、ウェブのせいを大きくしても全体の有効断面積は変わらないことになります。
Q.4 小梁の設計
横補剛材としての検定で、接合部の偏心による付加モーメントの 1/2 を梁の設計曲げにしているが、危険側の考え方ではないか?
A.
接合部の偏心によって生じる付加的な設計曲げモーメントのとり方については、ユーザーズマニュアルの「4-1. 小梁の設計」の図 4-1-5 にある通りですが、下に再掲します。


単純梁の設計曲げモーメントは床荷重によって生じる中央部の負曲げになりますが、上図左にあるように、横補剛材を兼用する場合は、この値に小梁の端部に生じている偏心曲げの 1/2 を加えたものを設計曲げモーメントとしています。
ところで、大梁が横座屈によって「どちら側に捩れるか」というのは、少なくとも設計の段階ではまったく予測がつきません ( おそらく、梁を建て込んだ時にどちらかに捩れていれば、その方向に捩れるのでしょう ) 。
ですから、M の向きは上図とは反対になるかもしれず、この場合は中央部の設計曲げが減じられることになりますが、ここでは安全側を見込んで設計曲げを増大させる方向に生じるものとしているわけです。
それからもう一つ、上図左では小梁のもう片方の側 ( 右側 ) には大梁がないものとしていますが、通常はこちらにも大梁があると考えられます。すると、その大梁の「捩れ方」によって生じる曲げのパターンは上図右に示したような 4 つになります ( ただし右側の大梁は左側と全く同じ性状をもつものとしている )。
ここで、「考えられるパターンのうち最も過酷なものを採用する」ということであれば、生じている負曲げ M をそのまま設計曲げとして採用すべきでしょう。しかしそれでは「過剰設計」とされるおそれがあるので、「小梁の一方の側の大梁の存在は無視する」としたのがプログラムの考え方です。これが「正しい設計」なのかどうかはよく分かりませんが、実務的な設計法として「かなり妥当なもの」ではないかと考えてています。
いずれにしても、この横補剛材の設計手法そのものがどこかに明確な形で規定されているわけではなく、「慣習」として行われているに過ぎません。何らかの形で明確な規定が公表されれば、それにしたがってプログラムの仕様も改めることになります。
Q.5 間柱の設計・胴縁の設計
山形鋼を使用した場合の曲げ検定比が手計算の値と異なる。
A.
山形鋼に作用する荷重の作用方向は「辺に平行な方向」であることを前提にしています。これに対し、山形鋼の主軸方向は「辺に対して 45 度傾いた方向」にあります。したがって、山形鋼の曲げ検定比は、まず、荷重を 45 度方向の成分 ( 強軸および弱軸方向 ) に分解し、それぞれについての検定比をもとめた上で、それを合算したものを最終的な検定比としています。
山形鋼についてではありませんが、マニュアルの 76 ページの図 4-1-3 で「荷重方向に対して主軸が傾斜している場合」の取り扱いを説明していますので、参照してください。
Q.6 耐風梁の設計
設計曲げを「最大値」とした場合の計算値が旧版と異なる ( チャート8 )
A.
旧版 ( チャート7 ) と新版 ( チャート8 ) における「最大曲げ」の一般的な定義の違いについてはマニュアルにある通りですので、ここでは省略します ( 新版の値が本来の意味の「最大値」です ) 。
ただし、耐風梁の場合には強軸回りと弱軸回りの応力を合成していますので、「最大値」の意味が若干複雑になります。
一般には、強軸回りと弱軸回りの検定比を足したものが最大となるような位置の応力を「最大値」とするのが正解でしょう。しかしその場合、その値は強軸回りの最大値とも弱軸回りの最大値とも一致しなくなる可能性があり、非常に分かりにくくなるという欠点があります。
そこで旧版では、両方向における最大値の発生位置の違いを無視し、各々の方向の検定比の最大値を単純に足し合わせるという考え方をとりました。これは設計上の安全側であることは間違いありませんが、しかし実際にはどの位置においても生じていない値で、理論的にはおかしいでしょう。
そのあたりを考慮し、新版では「強軸回りの最大値が発生する位置で断面を検定する」という考え方を採用することにしました。
この場合、弱軸回りの設計曲げとは「強軸回りの最大値が発生する位置における弱軸回りの曲げ」の値になります。これにしたがうと、本当の意味における最大の検定比よりも小さくなる場合もありますが、しかし工学的には十分に納得できる値であろうと考えます。
もちろん、プログラムの初期設定通り、部材の中央部で検定しているのであれば上のような食い違いは生じません。「部材の中央部で検定する」というのは従来から広く行われている慣用的な構造計算方法であり、よほど特殊なものでない限り、これで問題はないものと考えます。
Q.7 大梁の設計
「ウェブの有効率」とあるが、これに対してはどのような計算が行われているのか? また、この値は曲げにもせん断にも使われるのか?
A.
ウェブの厚さを「薄くする」という方法を用いています。例えば、9mm のウェブ断面をもつものに対して、ウェブの有効率が 0.8 と指定されると、ウェブの厚さが 9 × 0.8 = 7.2mm であるものとして計算しています。この考え方は、曲げとせん断の両方の耐力計算に用いています。また、曲げとせん断に対して別々の有効率を指定することは出来ません。
上記の計算方法は、もちろん、略算的な便法であると言えますが、もともと「ウェブの有効率」という考え方そのものに不明瞭な点があり、いわゆる一貫計算プログラム等でも採用されている方法です。
Q.8 露出柱脚の設計
H 形鋼のウェブの両側に 1 本ずつアンカーボルトを配したり、あるいはボックス材の四辺を切り欠いて各辺に 1 本ずつアンカーボルトを配するような、いわゆる「ピン柱脚」を取り扱えるか?
A.
取り扱えません。このような形式の柱脚については、よほど軽微なものでない限り現在では採用が推奨されていないこと、耐力の計算方法そのものがはっきりしないこと、告示にある「構造計算を行わない場合の鉄骨柱脚の計算外規定」にしたがっておけば一般に十分であろうと思えること、等の理由によります。
Q.9 埋込み柱脚の設計
スタッドの計算は行っていないのか?
A.
日本建築学会「鋼管構造設計指針・同解説」によれば 、「従来、柱の曲げモーメントをスタッドコネクタのせん断力により基礎に伝達する設計手法が慣用的に用いられてきたが、しかし、柱の曲げモーメントは柱フランジと基礎コンクリートの間の支圧力により基礎に伝達され、スタッドコネクタのせん断抵抗による応力伝達は支配的でない」 ( P.137-138 ) とされており、学会の規準においては、支圧力による応力伝達を検証する、という設計手法が採用されていますので、これに従っています。支圧力による応力伝達を補うためにスタッドを配置する、という設計手法もあるかと思いますが、このプログラムでは取り上げていません。
Q.10 保有耐力横補剛・保有耐力仕口部・保有耐力継手部
プログラムの起動時にファイルの読込みエラーが出る ( チャート7 )
A.
ユーザーが独自に定義した形鋼サイズ等のデータは初期設定ではマイドキュメントの下の RC-S-Chart というフォルダ内の SC7USR.TBL という名前のファイルに保存されます( 格納場所はメニュープログラムの「各種情報・設定」ページで変更可 ) 。上記のメッセージは、このファイルがハードディスク上の障害等によって壊されてしまったことが原因です。したがって、このファイルをいったん削除してください。そうすれば、次回起動時に初期化された上記のファイルが自動生成されます。
ただし、それまでに登録された形鋼サイズ等のデータも初期化されてしまいます。もし、このファイルのバックアップがあるのでしたら、所定のフォルダ内にリストアしてください。
Q.11 小梁の設計
合成梁の計算仕様を旧版から変更したのか ? ( チャート8 )
A.
旧版では、現行の設計規準にしたがい、合成梁の耐力を「入力されたスタッドコネクタの本数 / 完全合成梁として必要なスタッドコネクタの本数」という値で低減したものを使用し、計算していました。
これに対し、現行版では、つねに完全合成梁として計算し、「完全合成梁として必要なスタッドコネクタの本数」の値を参考値として出力するだけにとどめています。その理由は以下の通りです。

完全合成梁という考え方は「大きな地震力によって部材両端に塑性ヒンジが形成される状態を想定し、そこに至るまでスタッドコネクタが破壊しない」ことを目標としたものです。これは明らかに「大梁」を対象にしています。
この考え方を「長期荷重を受ける小梁」にそのまま援用すれば、「長期荷重の増大によってスパン中央に塑性ヒンジが生じる」状態を考えるしかありません。プログラムでは「完全合成梁として必要なスタッドコネクタの本数」をそのような考え方で求めています。
しかしそもそも、長期荷重によって塑性ヒンジが形成されるという考え方は、少なくとも現行の設計体系には馴染みません。そのような理由で、現行版ではこれを「参考値」として出力するにとどめ、最終的な判断は設計者に委ねることにしました。
明確な設計指針がない現状では、小梁は「純鉄骨」として計算し、コンクリート床による効果は「余裕率」として担保しておくというのがもっとも「無難」な設計法かもしれません。

RCチャート Plus 関連


Q.1 柱の設計
円形柱の RC 部分のせん断耐力が計算されない。
A.
RC の円形柱のせん断耐力に関しては明確な計算式がないため、一般には「等断面積の正方形柱に置換する」という便法がとられており、このプログラムもそれに従っています。SRC 柱の RC 部分についても同様の考え方をとっていますが、この場合に困るのは、「等断面積の正方形の辺長よりも鉄骨断面の方が大きくなる」というケースです。
現行の規定では、「コンクリート断面の寸法から鉄骨の寸法を差し引いた有効断面の耐力を計算する」ことになっているため、このようなケースのせん断耐力を計算することができません。これを、一方的に「データのエラー」と決めつけるのも変なので、現在の仕様は「計算しない」となっています。
実質的には、「全せん断力を鉄骨に負担させ、RC の耐力には期待しない」という設計をしておけば問題はないものと思いますが、このプログラムでは「つねに何がしかの RC の耐力を期待する」という仕様になっているため、うまく行きません。現在のところ、この部分は手計算による注釈を付け加えていただくしか方法がありません。

フリーストラクチャー関連


Q.1
傾斜した部材に荷重を作用させるには?
A.
「構造力学公式集」のような種類の本の中で、しばしば、「山形ラーメンの応力の略算法」として下図左のような画を見かけることがあります。
   
ここにある荷重は「実際の分布荷重」ではなく「水平投影面に換算された分布荷重」です。したがって、実際の荷重が 10 kN/m2 であれば、これを部材の傾斜角の余弦で割って、たとえば 12.3 というような数字をここに当てはめることになります。なぜこんな面倒なことをするのかというと、これは、手計算の時代に広く採用されていた方法だからです。
このように最初から荷重を割り増しておくと、「荷重拾い」の時に重宝します。
床面が傾斜している場合、平面図上で計測した長さから求められる面積は本当の面積ではありません。その面積を傾斜角の余弦で割って「実際の面積」とし、そこに「実際の分布荷重」を乗じたものが「実際の総荷重」です。しかし、あらかじめ分布荷重の方を割り増しておけば、平面図上から得られた投影面積にそれを乗じたものが「実際の総荷重」になり、計算の手間が軽減されるのです。
しかし、これは手計算のための便法で、実際には「水平投影面上に作用する荷重」というものは存在しません。床の荷重であれ梁の自重であれ、実際の荷重は、上図右のように「部材に沿って、部材の長さ分だけ、鉛直方向に作用」します。傾斜が変わってもこの値は変わりません ( これに対し、上図左の場合は傾斜に伴って荷重の値を変える必要があることはお分かりだと思います ) 。
当然、プログラム上の扱いは上図右のようなものになりますので、荷重の入力としては「実際の ( ありのままの ) 荷重を基準 Z 軸方向に作用させる」ことになります。
Q.2
応力がすべて 0 になる。
A.
最も多く見られる原因は「部材端をなんでもかんでもピンにしてしまった」というものです。
本来、変位法では「ある節点に集合するすべてのすべての部材がピン接合である」という状態を計算することはできません。節点の回転剛性が何もなくなってしまうからです。ただしこのプログラムでは、このような場合、エラーを出して中断するのではなく、「その節点に微小な回転バネ剛性をあたえて計算を続行する」という仕様にしています。
そのことが原因で非常に不安定な構造体になっていることが考えられます。したがって、まず不要なピン接合がないかどうかをチェックし、データを修正してください。